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プレミアムフラワーの花コラム

2022.05.1 new!

花コラム 第57回:ハナミズキ~国と国の関係は移ろう

 サクラが散ると、入れ替わるようにしてハナミズキが咲き始めました。日本の街路樹で最も多いのはイチョウの約57万本、2番目はサクラの約52万本、3番目はケヤキの約49万本、そして4番目がハナミズキの約36万本です。5月中頃までは、白や赤、ピンクの花が街中を彩ります。

ミズキより花らしい花

 ミズキ科ミズキ属のハナミズキは北米原産の落葉樹。同じミズキ属のミズキ=写真の左側=よりも美しい、花らしいということで、ハナミズキ(花水木)=写真の右側=と名付けられました。花のように見えるのは花弁ではなく、花の付け根の葉(総苞片=そうほうへん)です。秋には紅葉や赤くなった果実なども楽しめ、観賞期間が長いのが特長です。

キリストが処刑された木

 英語名はdogwood(犬の木)。木の皮を煮詰めて、犬の皮膚病の薬にしていたというのが謂(いわ)れです。
 キリストが処刑された十字架に使われたという伝説もあります。ハナミズキは罪深い自分を恥じて、二度と処刑に使われないよう小さくなりました。高さは4~10mもある大きな木ですが、その前はもっと大きな巨大な木だったということでしょうか。4枚の花びらは十字架の形に変わり、キリストを打った釘の痕が花びらのくびれになったとも言い伝えられています。

日米の友情を示し合う

 サクラとハナミズキは花期をバトントスするだけでなく、日本とアメリカの友情を示し合う関係にもあります。
 日本とロシアが戦った日露戦争(1904~1905)はアメリカが講話に導きました。そのお礼の意味も込めて、1912年に東京市長だった尾崎行雄はサクラ(ソメイヨシノ)の苗木をアメリカに贈りました。世界的な花の名所・ワシントンD.C.のポトマック河畔のサクラ並木=写真※注1=のはじまりです。

友情交換の26年後に交戦

 その3年後、返礼としてワシントン市から東京市に贈られたのがハナミズキです。白い花の苗木40本、ピンク色の苗木20本が上野公園や日比谷公園などに植えられました。
 日本とアメリカは友情で結ばれたはずでしたが、それから26年後に太平洋戦争(1941~1945)が勃発。日米両国は約340万人(※注2)が亡くなるという壮絶な戦いを繰り広げました。

花には罪はない

 戦争中はアメリカではサクラを、日本ではハナミズキを「敵国の花だ」として根こそぎにしようという動きがありました。しかし、「花には罪はない」という花を愛する人々の思いが二つの花を守りました。ハナミズキの原木は今でも東京都立園芸高校に残っています=写真※注3=。

国と国との関係の移ろい

 花が季節と共に移ろうように、国と国の関係もその時々の状況、事情によって移ろっていきます。
 戦争が終わり、日米両国は今では同盟国となり、再びサクラとハナミズキのように友情を示し合う仲になりました。同じヒマワリを国花に掲げるウクライナとロシアはこの先、どのような関係になっていくのでしょうか。

「ハナミズキ」の歌に寄せて

 歌手・作詞家の一青窈さんの代表作「ハナミズキ」(2004年発売)は結婚式でよく歌われますが、恋愛の歌ではなく、アメリカ同時多発テロ事件(2001年9月11日)をテーマにしたものです。

ミサイルでなく花を贈り合う外交を

 一青窈さんは、事件現場となったニューヨークにいた友人から苦しい胸の内を綴ったメールを受け取りました。「とにかく、友人と好きな人が無事でありますように」という思いを込めて、1週間でこの歌詞を書き上げたそうです。後のインタビューで「ミサイルが飛び交う世の中よりも、花を贈り合う外交をーという祈りに近い気持ちで歌っていた」と話しています。

好きな人が百年続きますように

  ♫僕の我慢がいつか実を結び
   果てない波がちゃんと 止まりますように
   君と好きな人が 百年続きますように♫

 プーチン政権による軍事侵攻がちゃんと止まり、ウクライナの人々が百年続きますように!

※注1 写真は「Public Relations Office-Government of Japan」のホームページから転載
※注2 太平洋戦争の死者数は日本約310万人(1977年、厚生省発表)、アメリカ約29万人(米退役軍人省発表)
※注3 写真は東京都立園芸高校のホームページから転載

※参考図書
「友情の二つの花―日米友好のハナミズキをさがしもとめて」(発行所:岩崎書店、著者:手島悠介)、
「餓死した英霊たち」(発行所:青木書店、著者:藤原彰)、
「葉形・花色でひける木の名前がわかる事典」(発行所:成美堂出版、監修:大嶋敏昭)、
「五感で調べる木の葉っぱずかん」(発行所:ポプラ出版、著者:中村宏平)

※参考サイト
「東京都立園芸高校 園芸高校の教育財産」
「みんなの趣味の園芸 育て方がわかる植物図鑑」
「nippon.com ポトマックの桜、“日米交流史”の象徴」
「Public Relations Office-Government of Japan」
「日刊スポーツ 恋愛ソングの定番『ハナミズキ』誕生のきっかけとは」

◆ バックナンバー

2022. 5. 1 第57回:ハナミズキ~国と国の関係は移ろう
2022. 4. 1 第56回:ヒマワリ~ウクライナに心を重ねて
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2022. 2. 1 第54回:春を告げる儚い花~セツブンソウは人間嫌い
2022. 1. 1 第53回:今年こそ~ロウバイの不思議な力で
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2021. 11. 1 第51回:「金のなる木」はないからね
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コラムライターのご紹介

福田徹(ふくだ とおる)

元読売新聞大阪本社編集委員。社会部記者、ドイツなどの海外特派員、読売テレビ「読売新聞ニュース」解説者、新聞を教育に活用するNIE(Newspaper in Education)学会理事などを歴任、武庫川女子大学広報室長、立命館大学講師などを勤めました。
花の紀行文を手掛けたのをきっかけに花への興味が沸き、花の名所を訪れたり、写真を撮ったりするのが趣味になりました。月ごとに旬の花を取り上げ、花にまつわる話、心安らぐ花の写真などをお届けします。

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