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花コラム

花コラム 第67回:織田信長とボケの花

プレミアムフラワーの花コラム

第67回:織田信長とボケの花

2023.3.1

 木村拓哉が織田信長を、綾瀬はるかが濃姫を演じる話題作『THE LEGEND & BUTTERFLY』が、1月末に鳴り物入りで封切られました。東映70周年記念映画とあって、時代考証にも力を入れたのでしょう。出陣するキムタク、いや信長が被っていた兜に「織田木瓜(おだもっこう)」=写真=の家紋が輝いていました。

信長は七つの紋を使い分けた

 戦国時代の武将はどのような家紋を使っていたのでしょうか?当時の正式な記録は見当たりませんが、約200年後の寛政年間に、江戸幕府が10万人もの大名や旗本の家系を1520巻にまとめた「寛政重修諸家譜(かんせいちょうしゅうしょかふ)」=写真=を編修しています。それによると、信長は七つもの家紋を用い、状況に応じて使い分けていたようです。その中でも最も知られ、信長の代表的な家紋とされているのが木瓜紋です。

木瓜紋のもとに諸説

 木瓜紋は一見すると花のように見えます。しかし、実は何がもとになったのかは、はっきりしていません。「キュウリの切り口をデザイン化した」「卵の入った鳥の巣を表している」「ボケの花をもとにした」「御簾(みす=宮殿などに用いられるスダレ)の帽額(もこう=スダレの横に貼る装飾用の幕)を模した」…。本やサイトによって、てんでばらばらに書いてあります。

木瓜の読みは様々

 木瓜は「もっこう」の他に「ぼっか」「もっか」「もけい」など様々な読み方をされます。木(き)と瓜(うり)を訓読みすれば「きうり(きゅうり)」になります。木瓜紋はキュウリの切口だという説はここからきています。さらには、忘れてならないのは、春の訪れを告げる花・ボケ=写真=の漢字でもあります。

色鮮やかなボケの花

 バラ科ボケ属のボケは落葉低木です。果実が瓜に似ており、木になる瓜ということから「木瓜」の漢字が当てはめられたと言われています。鮮やかな濃い紅色、緋色の梅のような五弁の香り豊かな花を咲かせます。その美しさから、庭木や生垣、盆栽、切り花などとして人気があります。
 通常の木瓜紋=写真左側=は少し横長の四弁ですが、織田木瓜紋=写真右側=は五弁です。このことも、紋はボケの花をもとにしたという根拠の一つになっていると思われます。

「ぼけ」は「うつけ」の関西弁

 信長は若い頃から奇矯な行動が多く、「尾張の大うつけ」と呼ばれました。映画の中では、濃姫が信長に「お前様のようなうつけ!いつでも寝首をかいたるわ」と言い放つ場面があります。
 「うつけ」は愚かな、ぼんやりとした人のことを言います。関西弁では差し詰め「ぼけ」が近い意味の言葉になるでしょう。「あほ、ぼけ」は吉本新喜劇でもお馴染みの、関西人がよくつくとされる悪態です。
  「うつけ者」信長の家紋は「ぼけ」の花をもとにしたーという説が、関西の方にはしっくりくるかもしれません。

※参考図書
「家紋の世界」(編集:中村実季、高部哲男、発行所:イースト・プレス)
「家紋のすべてがわかる本」(監修:高澤等、発行所:PHP研究所)
「家紋と名字」(著者:網本光悦、発行所:西東社)
「面白いほどよくわかる 家紋のすべて」(監修:安達史人、発行所:日本文芸社)

※参考サイト
「国立国会図書館デジタルコレクション寛政重修諸家譜」
「織田信長の家紋」「織田木瓜紋」「戦国ヒストリー」「刀剣ワールド」
「AERAdot.10th 春を告げる『ボケの花』と『河童』の奇妙な縁(えにし)とは?二十四節気『啓蟄』」

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コラムライターのご紹介

福田徹(ふくだ とおる)

元読売新聞大阪本社編集委員。社会部記者、ドイツなどの海外特派員、読売テレビ「読売新聞ニュース」解説者、新聞を教育に活用するNIE(Newspaper in Education)学会理事などを歴任、武庫川女子大学広報室長、立命館大学講師などを勤めました。
花の紀行文を手掛けたのをきっかけに花への興味が沸き、花の名所を訪れたり、写真を撮ったりするのが趣味になりました。月ごとに旬の花を取り上げ、花にまつわる話、心安らぐ花の写真などをお届けします。

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