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花コラム

花コラム 第28回:花によって香る高さは違う~水仙は?

プレミアムフラワーの花コラム

2019.12.1

第28回:花によって香る高さは違う~水仙は?

 『倒れたる帚(ほうき)拾おうとかがむとき地の高さにて水仙(スイセン)香る』
 歌人で瑞泉寺(鎌倉市)住職の大下一真氏が先日、NHKラジオで放送された文化講演会「四季の移ろいを詠む」の中で、興味深い自選の歌を紹介しました。境内の掃除をしている時、立て掛けてあった帚が倒れてしまった。それを拾おうとしてかがみこむと、地表近くで水仙=写真=の香りがしたーという歌です。

花の香りの高さには棲(す)み分けがある

 大下氏は「水仙は低いところで香り、梅=写真=は高いところで香るという棲み分けがあります。帚が倒れたことで、ちょっとした発見をした訳です」と解説しました。花によって香りが漂う高さが違う、というのは思いもしないことでした。

美少年が姿を変えた花

 水仙は冬から春にかけて、白や黄色の可憐な花を咲かせる多年草で、世界で1万以上の種類があります。名前は「仙人は天にあるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙という」という中国の古典から、水辺に咲く姿を仙人にたとえたと言われています。
 学名Narcissusは、ギリシャ神話に登場する美少年ナルキッソス=写真はローマ国立美術館所蔵のカタヴァッジョ作「ナルキッソス」=に由来します。数多くの女性の求愛をにべもなくはねつけたナルキッソスは泉に映った自分の姿に恋をし、その場を離れられなくなって死んで水仙になったーというのは有名な話です。ナルシズム(自己愛)の語源にもなりました。

寒い季節に香る花の代表

 水仙の甘く切ない香りは、ナルキッソスを連想させます。水仙は寒い季節に香る花の代表と言っていいでしょう。天然の香料として重宝がられ、香水にも加工されます。女優のマリリン・モンローが愛した香水「シャネルの五番」=写真=は水仙から抽出されたものです。

水仙の香りと悪臭の意外な共通点

 香り、臭いは本(もと)をただせば分子です。水仙が低いところで香るということは、水仙の香りの分子は空気より重いということになります。
 重いと言えば、汗などの脂肪酸系や生臭さなどの窒素化合系、それに汚物などの硫黄化合物系といった日常生活での三大悪臭も足元にたまります。そこで、消臭剤は足元に置くのが効果的とされていますが、甘い水仙=写真=の香りと、悪臭の漂う高さが同じとは意外でした。

もったいないかも

 水仙や梅以外の花はどのような高さで香るのでしょうか? 香りがほとんどしないと思われている花も、実は香りがヘリウムガスの入った風船のように空へ舞い上がっているだけかもしれません。私たちが知っている花の香りは、鼻の高さに漂うものだけだとしたら、もったいない気がしないでもありません。

※参考図書
「NHK趣味の園芸 2017年2月号」(日本放送出版協会)
※参考サイト
「日刊住まいSumai 消臭剤・芳香剤の効果的な置き方とは?」
「香りのブログ(日本デオドール株式会社)」

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コラムライターのご紹介

福田徹(ふくだ とおる)

元読売新聞大阪本社編集委員。社会部記者、ドイツなどの海外特派員、読売テレビ「読売新聞ニュース」解説者、新聞を教育に活用するNIE(Newspaper in Education)学会理事などを歴任、武庫川女子大学広報室長、立命館大学講師などを勤めました。
花の紀行文を手掛けたのをきっかけに花への興味が沸き、花の名所を訪れたり、写真を撮ったりするのが趣味になりました。月ごとに旬の花を取り上げ、花にまつわる話、心安らぐ花の写真などをお届けします。

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