花コラム
花コラム 第13回:なんて名前の花だったかな?
2018.9.1 第13回:なんて名前の花だったかな? 観測史上、最も暑いと言われた夏がようやく去り、秋の花の出番がやって来ました。春に次いで花の多い季節だけに、日々の生活の中で花を見かけることも多くなりますが、「なんて名前の花だったかな?」と思うことはありませんか? 花は約20万種もあり、その一つひとつに名前が付いています。それに毎年、新しい園芸品種が生み出され、名前も和名、学名、俗名などいろいろとあります。私などが知っているのは、ごく一部の花に過ぎません。 『「この花の名前、なんだっけ?」というときに役立つ本』(菱山忠三郎著、主婦の友社発行)、『花の事典970種 知りたい花の名前がわかる』(金田初代・金田洋一郎著、西東社発行)、『これだけは知っておきたい花の名前300』(森田竜義監修、平凡社発行)……。 試しにページを繰ってみました。すると、本で解説してあるような分類をしなくても、すぐに名前が分かる花もたくさんありました。何のひねりもなく、“見たまんま”の名前がついているので、親しみがわいてきます。 湿った岩場に自生する野草。5枚の花弁のうち下の2枚が長いことから、まさしく「大」の字に見えます。花によって花弁の形は違うので、「大」の形も様々。「上手な字」と「下手な字」が入り混じった習字の作品を見ているようです。
巻きひげのようなツルが絡みつき、時計の文字盤のような花を咲かせます。時計のデザインに、そのまま使えそうです。ヨーロッパでは、キリストが十字架にかけられている姿が思い浮かぶのか、「パッション(passion=キリストの苦難、受難)フラワー」と呼ばれています。国が変われば、連想も変わるものです。
細い花枝の先に小さな白い花を点々とつける様を、花嫁がかぶるベールに見立てました。英名は「タヒチアン・ブライダルベール」ですが、原産地はタヒチではなくメキシコです。ロマンチックな名前と栽培のしやすさから、女性を中心に根強い人気があります。
これも見たまんま。色も形も鶏の頭・トサカに似ているので、ケイトウという訳です。花に見えるところは実は茎で、本当の花は小さくて目立ちません。ハゲイトウやヒモゲイトウという花もありますが、これはケイトウとは別属の植物です。
2、3センチの白や桃色の花を咲かせる多年草。花弁と長く突き出たオシベの形が蝶に似ており、今にも飛んでいきそうです。花は3日ほどで散りますが、初夏から秋にかけて次から次へと花を咲かせて楽しませてくれます。
芝生や草地の明るい場所で生きる自生ラン。真っすぐな花茎に、らせん状に花がねじれて咲くので、ネジバナと名付けられました。右巻きと左巻きがあり、同じ株からこの2種類の花をつけることも珍しくありません。
ネジバナと少し似ていますが、こちらはランではなくタデ科。日本各地の山や林、藪の中などで普通に生えています。花の上半分が赤く、下半部が白いことから、水引に例えられました。紅白の水引は祝儀用ですので、縁起の良い花と言えるでしょう。
こんな名前の花ばかりなら、「なんて名前の花だったかな?」と悩まなくてもいいのですが……。プレミアムフラワーの花コラム
花の名前は約20万も
散歩の途中に見かけた花の名前が分からず、図書館に立ち寄ると、花の名前に関する本がズラリと並んでいました。いかにも「花の名前を知りたい!」という思いに応えてくれそうなタイトルの本ばかりです。その一部をご紹介します。
花の名前を教えてくれる本
『だれでも花の名前がわかる本』(講談社編)には、花の名前を調べる方法が紹介されています。桃、赤、青&紫、橙、黄、白、その他の7つの色に分けて見分ける方法。放射状、らっぱ形、つぼ形など花の形で見分ける方法。そして、球状、傘状、円錐状など花のつき方で見分ける方法などです。
「見たまんま」の名前の花たち
【ダイモンジソウ】
【トケイソウ】
【ブライダルベール】
【ケイトウ】
【ハクチョウソウ(白蝶草)】
【ネジバナ】
【ミズヒキ】
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