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花コラム

花コラム 第15回:「シクラメンのかほり」と「ブタノマンジュウの香り」

プレミアムフラワーの花コラム

2018.11.1

第15回:「シクラメンのかほり」と「ブタノマンジュウの香り」

 花をテーマにした歌は数え切れないほどあります。中でも「シクラメンのかほり」( 1975年、作詞・作曲:小椋佳)は大ヒットし、今もなお歌い継がれています。
♪真綿色したシクラメンほど 清(すが)しいものはない……
シクラメンのかほりむなしくゆれて 季節が知らん顔して過ぎてゆきました♪

えっ これがシクラメンの香り?

 この歌を初めて聴いた時は、シクラメンがどのような花か知りませんでした。どんなに素敵な香りがするのだろうと思い、花屋さんの店先でシクラメンに顔を近づけて嗅いでみたことがあります。ところが、香りは殆どしませんでした。そこで、思いっきり吸い込むと、今度は埃っぽい臭いがして、拍子抜けしたものです。

冬の鉢物の定番は地中海生まれ

 シクラメンは日本の冬の鉢物の定番になりましたが、もとは16世紀に地中海沿岸で作出されました。名前はギリシャ語で「回転する」「丸い」を意味する「cycle」からきています。花茎がらせん状に変化するからとか、球根が独特の丸い形をしているからとか、いろいろな説があります。

イメージが異なる二つの和名

 明治時代に日本に導入され、2つの和名がつけられました。一つは『カガリビバナ』という綺麗な名前。赤く燃える篝火(かがりび)に例えたものです。

 もう一つは、全くイメージの違う『ブタノマンジュウ(豚の饅頭)』。「えっ、豚まん?」と思わず聞き返したくなりますが、調べてみると豚まんではなく、豚に食べられる饅頭という意味でした。英名は、放し飼いにした豚がシクラメンの球根を掘り出して食べたことから『sow bread=メス豚のパン』。これを翻訳したのが『ブタノマンジュウ』という訳です。

パンが饅頭になった訳は?

 では、どうしてパンではなく、饅頭と意訳されたのでしょうか?このあたりの事情を記した文献は見つかりませんが、『ブタノマンジュウ』の名は 1884年(明治17年)に発行された『日本植物名彙(めいい)』(出版:丸善、編集:松村任三)にすでに載っています。ということは、これより前に命名されたことになります。この時代なら、パンよりも饅頭の方が馴染みがあったので、パンを饅頭に言い換えたーというところでしょう。

置き去りにされた香りの品種改良

 日本に導入されてからは、主に花の大きさや色に関して品種改良されてきました。香りは置き去りにされた格好ですが、1996年に埼玉県農林総合研究センターが世界で初めて芳香を持つ品種の育成に成功し、2008年に香り高い「孤高の香り」=写真=と「麗しの香り」を品種登録。2016年には雪印種苗が香りのあるシクラメン「芳香シクラメンシリーズ」6品種の種苗の販売を始めました。シクラメンの香りは、ようやく歌に追いつきました。

花のイメージと歌のヒット

 花のイメージは、形、色、香り、名前などが相まって作り上げられ、そのイメージをもとに数々の歌が生まれます。そして、歌はタイトル、歌詞、メロディー、歌い手などが相まってヒットするかどうか決まります。

 歌のタイトルが「ブタノマンジュウの香り」だったら、あのような大ヒット曲にはならなかったかもしれません。

※参考図書 「もっとシクラメン」(発行:NHK出版、編集:阿川峰哉)、「華やかな鉢植えの花」(発行:学習研究社、編集:田村佶)、「シクラメン、ガーデンシクラメン」(発行:NHK出版、著者:吉田健一)
※参考サイト 「埼玉県 芳香シクラメンについて」「雪印種苗株式会社 香りのあるシクラメン『芳香シクラメンシリーズ』6品種を新発売」

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