花コラム
花コラム 第32回:不安にかられる今、思いを託したい花~カモミール
2020.4.1 第32回:不安にかられる今、思いを託したい花~カモミール 4月が巡ってきました。厳しい冬を乗り越えた花が一斉に咲き、いつもなら華やかな季節になるはずですが、今年は新型コロナウィルスのまん延で重苦しい空気が立ち込めています。 カモミール=写真=はキク科の一年草で、これから6月頃にかけて直径2~3?の白い花を咲かせます。中心は鮮やかな黄色い筒状花が盛り上がっており、イギリスの“植物学の父”と呼ばれるウィリアム・ターナー(1508~1568年)は「輝くような見事な黄色」と表現しました。 『ピーターラビットのおはなし』では、お腹の具合が悪くなったピーターにお母さんが「かみつれ」を煎じて飲ませるシーン=写真=が描かれています。このカミツレはカモミールの和名「加密列」のことです。カモミールのオランダ語「kamille」に漢字を当てはめたものです。 岡田准一と榮倉奈々が主演した映画『図書館戦争』(2013年公開、原作は有川浩)にも、カモミールは重要な役回りで出てきます。検閲を強化して表現の自由を奪おうとする「メディア良化隊」に抵抗する「図書隊」のシンボルの花になったのがカモミール。「図書隊」のワッペン=写真=は、この花と本を組み合わせたものでした。 カモミールティーはリラックス効果もあると聞き、近くのスーパーでティーバッグ=写真=を買って飲んでみました。ほろ苦さの中にリンゴのような甘みがほのかに漂い、なんとも優しい、穏やかな味がして、安らぎました。 最後になりましたが、カモミール=写真=に思いを託したい理由は、その花言葉にあります。カモミールは地面をはうように生え、踏まれれば踏まれるほど丈夫に育ちます。そこで生まれた花言葉は『逆境に耐える』と『苦難の中の力』。 ※参考図書プレミアムフラワーの花コラム
不安にかられる今、思いを託したい春の花があります。カモミールです。世界中で愛される“植物のお医者さん
消化器系の障害から不眠症、皮膚疾患まで幅広い薬効があるとされ、古代エジプト人は『聖なる花』とあがめ、万能薬と信じていました。ヨーロッパで最も古い民間薬として栽培され、今では世界中で愛されているハーブの一つです。周りに生える他の植物を元気にすることから
“植物のお医者さん”とも言われています。ピーターラビットも飲んだ
自由を守るシンボルにも
優しい、安らぐ味でリラックス
カモミールの効用には、新型コロナウィルスに関するものはありません。しかし、先行きが見えない閉塞感が漂う中で、ことさら不安にとらわれず、冷静な対応を促す効用はあるのではないでしょうか。逆境に耐える、苦難の中の力
頑張れ!コロナウィルスなんかに負けるな! カモミールは今、私たちを応援してくれているようです。◇
「ピーターラビットのおはなし」(発行:福音館書店、作・絵:ビクトリア・ポスター)
「魔女のシークレット・ガーデン」(発行:山と渓谷社、著者:飯島陽子)
「ハーブの歴史百科」(発行:原書房、著者:キャロライン・ホームズ、訳者:高尾菜つこ)
※参考サイト
「愛知県共済インターネット公開講座-12種類の精油・期待される香りの効能と使い方」
「ハーブティーの代表・カモミールの効果効能|妊娠中も飲めるの?」
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