花コラム
花コラム 第3回:コスモスとコスモスの営み
2017.10.20 第3回:コスモスとコスモスの営み
花の名所は数多くありますが、コスモスほど全国各地で身近に見られる花はそうはありません。9月から11月にかけて、近くの公園や河原、休耕田などで、白、黄、ピンクと色とりどりの花が咲き競います。親しみのある花ということで、60以上の自治体のシンボルの花にもなっています。
コスモスは明治時代にメキシコから日本にやってきた外来種ですが、水やりや施肥をしなくても生育する、強い花です。そこで、空いた土地にコスモスを植え、観光資源として活用するケースが多くなったのでしょう。
コスモスの語源は、「美しい」「秩序」「調和」を意味するギリシャ語の『kosmos』。花びらが綺麗に並び、整然と咲く様から名付けられたとか。統一された秩序である「宇宙(cosmos)」も同じ語源です。花と宇宙が「秩序」つながりで、同じ名前になった訳です。
京都・亀岡の「夢コスモス園」に行ってきました。JR京都駅から西へ約20?の山間部。甲子園球場の3倍以上、4ヘクタールの休耕田に、20品種、約800万本ものコスモスが咲く、近畿有数の規模を誇るコスモス畑です。
見渡す限り、胸元ぐらいの高さのスモスがびっしり。見慣れた「センセーション」のほかに、「イエローキャンパス」「ハッピーリング」など珍しい品種も。中には深紅に近い色や紫がかった花もあります。香りはほとんどしない花と聞いていましたが、秋風に乗って、ほのかな香りも漂っていました。
奥の方に行くとリンゴと鉛筆を手にしたピコ太郎の案山子が立っていました。近くに「創作かかしコンテスト開催中」の立て看板。派手なピコ太郎の衣装と背景の色とりどりのコスモスは結構、合っていました。他にも、「美女と野獣」や「お地蔵様」「元気なおばあちゃん」などをテーマにした、楽しい創作案山子がズラリと並んでいました。
午後の半日をゆったりと過ごし、5時前に帰途につきましたが、もう日は傾いていました。秋の深まりとともに、日が短くなる「釣瓶落とし」です。これも時の移ろいを整然と刻む、コスモス・宇宙の営みの一つなのでしょう。
※「夢コスモス園」は10月29日まで開園、来春3月17日~4月29日には一面まっ黄色の「菜の花畑」として開放される予定です。プレミアムフラワーの花コラム
どこでも見られる身近な花
花と宇宙
夢コスモス園
コスモスとピコ太郎
秋の日は釣瓶(つるべ)落とし
※冒頭の写真は「夢コスモス園」のHPから転載。
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