花コラム
花コラム第107回:カンナ~勇気と希望のビタミンカラー
第107回:カンナ~勇気と希望のビタミンカラー 2026.8.1 赤、黄、ピンク、オレンジ…。うだるような暑さの中で、カンナが色とりどりの花をつけています。見る人に活力を与えるビタミンカラーです。 この季節にカンナが元気いっぱいに咲くのは、その出自を見れば頷けます。カンナ科カンナ属のカンナは熱帯アメリカやアフリカが原産の多年草です。 広島と長崎に原爆が投下されてから81回目の夏が巡ってきました。被爆地は一面、焼け野原と瓦礫の山と化し、アメリカの科学者は「今後、70年間は被爆地に草木は生えない」と語りました。この談話がもとになり、「生物70年不毛説」が広まりました。 ところが、現実は違いました。被ばくして程なく、被爆地のあちこちで緑の芽が吹き始めたのです。広島平和資料館に「焦土にアオギリが芽吹いたことに力づけられた」という被爆者の証言が残されています。広島城にユーカリが咲いた。墓地にアサガオが咲いた。カボチャやトウゴマが芽吹いた。キョウチクトウやカンナも咲いた…。植物の生命力は原爆に負けませんでした。 資料館は10年前にリニューアルする際、広島市民を勇気づけた草花を展示することにしました。いろいろと検討した結果、カンナと広島の市花であるキョウチクトウが候補に残りました。そして最終的に、被ばく直後の写真が残っているカンナが展示されることになりました。 1945年8月6日、広島市に原爆が投下されました。写真は、その翌月に朝日新聞のカメラマン・松本栄一さん(2004年に89歳で死去)が市内で撮影したものです。松本さんは生前、「焼け野原に咲いたカンナに不思議な気がして思わずシャッターを切りました」と語っています。 この頃はまだカラー写真は普及しておらず、松本さんが撮影したのはモノクロ写真でした。葉は黒っぽく、そして花はより黒く写っています。このカンナは何色だったのでしょうか? 一面、モノトーンの焼け野原の一隅に緑の葉と赤いカンナ。目にした被災者は強烈な印象を受けたことでしょう。ビタミンカラーは「生きる勇気と希望」を呼び起こす色になったのに違いありません。
※参考サイトプレミアムフラワーの花コラム

柑橘類や野菜のような鮮やかな色はビタミンカラーと呼ばれ、赤は元気、黄色は明るさ、オレンジは活発、ピンクは優しさを連想させます。カンナは夏バテ気味の私たちにビタミンを振りまいているかのようです。暑くても元気一杯

原種は江戸時代前期に日本へ渡来しました。その後、フランスやイタリアで大きな花をつけるよう品種改良された園芸種はハナカンナと呼ばれ、明治時代末期に渡来。今、私たちが目にするカンナの大半は、このハナカンナです。夏から秋にかけて直径10センチほどの大きな花を上向きに咲かせます。70年間は草木は生えない
被爆地に緑が芽吹いた

※写真は左からアオギリ、ユーカリ、アサガオ、キョウチクトウ広島市民を勇気づけた花
思わずシャッターを切った

この写真パネル(縦2.7m×横1.6m)=写真=は「焦土に咲いたカンナ」のタイトルで資料館東館の地下ホワイエで展示されています。資料館にお尋ねすると、このエリアは無料で入場出来るということでした。焦土に咲いたカンナの色は?

モノクロ写真では色は明るさとして表現され、オレンジや黄色は白っぽく、赤や緑色は黒っぽく写ります。ということは、写真のカンナは赤色だったと思われます。「生きる勇気と希望」の色
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「庭木図鑑 植木ペディア」
「朝日新聞2016年8月6日16時37分『原爆資料館にカンナの写真展示』」
「中国新聞2024年9月18日『ヒロシマドキュメント 焼け跡に希望のカンナ』」
「みんなの趣味の園芸 カンナ」
「ビタミンカラーとは」














